「筋トレの記録を、エクセルで自分好みに管理したい」「Googleスプレッドシートなら無料でグラフも作れそう」——そう考えて表を開いたものの、どんな列を作ればいいか手が止まる人は多いはずです。結論から言うと、筋トレ記録の表は「日付・種目・部位・重量・回数・セット・ボリューム・メモ」の8列で十分。あとは関数を2つ3つ入れておけば、週間ボリュームも推定1RMも自動で出せます。この記事では、そのままコピーして使える表のテンプレート、列の決め方、集計に使う関数、グラフ化のコツ、そしてエクセル管理の向き・不向きまで解説します。手書きで残したい人は筋トレノートの書き方とテンプレートをどうぞ。

筋トレ記録をエクセル・スプレッドシートで管理するメリット・デメリット
まず、この方法が自分に合うかを確かめておきましょう。エクセル(Excel)やGoogleスプレッドシートでの管理には、はっきりした強みと弱みがあります。
- メリット① 自由度が高い:列も並び順も自分で決められます。種目ごとのシート分け、部位別の集計、独自の指標——アプリでは触れない部分まで作り込めます。
- メリット② 無料で始められる:Googleスプレッドシートはアカウントさえあれば無料。パソコンとスマホの両方から同じファイルを開けます。
- メリット③ 集計とグラフが標準装備:関数で合計や最大値を出し、そのままグラフにできます。数字を扱うのが好きな人ほど相性がいい方法です。
- デメリット① ジムでの入力が面倒:スマホの小さい画面でセルを選んで数字を打つのは、想像以上に手間です。セットの合間に何度も繰り返すとなると、なおさら。
- デメリット② 最初の作り込みに時間がかかる:列の設計、関数、グラフ——動く形にするまでが一仕事です(この記事のテンプレートで短縮できます)。
- デメリット③ 前回の記録がすぐ出てこない:行が増えるほど「前回のベンチプレスは何キロだったか」を探すのに時間がかかります。
つまり、「自由に作り込める・集計できる」が強み、「トレーニング中の入力」が弱みです。パソコンの前でじっくり振り返るのが好きな人には向いています。
記録表の列設計|この8列でつくる
表づくりで失敗しがちなのが、最初から列を増やしすぎることです。1行=1セットとして、次の8列から始めてください。
| 列 | 項目 | 入れる内容 |
|---|---|---|
| A | 日付 | 2026/6/12 のように日付型で入力。後の集計で必ず使います |
| B | 種目 | ベンチプレス、スクワットなど。表記ゆれがあると集計が狂うので入力規則(プルダウン)推奨 |
| C | 部位 | 胸・背中・脚・肩・腕など。部位ごとのボリューム比較に使います |
| D | 重量(kg) | そのセットで扱った重量。数値のみ(単位は列名に入れておく) |
| E | 回数 | そのセットで挙げた回数 |
| F | セット | 1、2、3…とセット番号。何セット目かが分かると振り返りやすくなります |
| G | ボリューム | 重量×回数。関数で自動計算(後述) |
| H | メモ | 体調、フォームの気づき、痛みなど。ひと言で十分 |
そのままコピーできる筋トレ記録テンプレート
下の内容をエクセルまたはGoogleスプレッドシートの1行目から貼り付ければ、そのまま使えます。タブ区切りなので、コピーしてセルに貼るだけで列が分かれます。
日付 種目 部位 重量(kg) 回数 セット ボリューム メモ
2026/6/12 ベンチプレス 胸 60 10 1 =D2*E2 体調◎
2026/6/12 ベンチプレス 胸 60 9 2 =D3*E3
2026/6/12 ベンチプレス 胸 57.5 10 3 =D4*E4 フォーム維持できた
2026/6/12 チェストプレス 胸 40 12 1 =D5*E5
2026/6/12 チェストプレス 胸 40 12 2 =D6*E6
2026/6/14 スクワット 脚 70 8 1 =D7*E7 膝に違和感なし
2026/6/14 スクワット 脚 70 8 2 =D8*E8 貼り付けたら、G列の数式を下方向にコピーしておきましょう。以降は新しい行に日付・種目・重量・回数を入れるだけで、ボリュームが自動で埋まります。
- 1行目は固定表示に:エクセルなら「ウィンドウ枠の固定」、スプレッドシートなら「表示 → 固定 → 1行」。行が増えても列名が見えます
- 種目はプルダウンに:「データの入力規則」で種目リストを作ると、表記ゆれによる集計ミスを防げます
- シートは1枚でOK:月ごとにシートを分けると、期間をまたいだ集計ができなくなります。1枚に積み上げて、集計は関数で切り出しましょう
関数で自動集計する|週間ボリューム・種目別ベスト・推定1RM
エクセル・スプレッドシートの本領はここからです。記録は「つける」より「活かす」もの。よく使う3つの集計を紹介します(数式はエクセル・Googleスプレッドシートどちらでも同じように使えます)。
1セットのボリューム(重量×回数)
=D2*E2ボリュームはそのセットで扱った総量です。最大重量が止まっている時期でも、回数が増えればボリュームは伸びます。「伸びていない」と感じたときに見るべき数字です。
期間を区切ったボリューム合計(週間ボリューム)
=SUMIFS(G:G, A:A, ">=2026/6/8", A:A, "<=2026/6/14")
部位を絞るなら
=SUMIFS(G:G, A:A, ">=2026/6/8", A:A, "<=2026/6/14", C:C, "胸")週ごとの合計を並べると、トレーニング量が増えているのか減っているのかがはっきりします。部位で絞れば「今月は脚が少なかった」といった偏りにも気づけます。
種目別の自己ベスト
最大重量
=MAXIFS(D:D, B:B, "ベンチプレス")
直近の記録日
=MAXIFS(A:A, B:B, "ベンチプレス")推定1RM
1回だけ挙げられる最大重量の目安(1RM)は、重量と回数から計算式で推定できます。よく使われるEpleyの式なら次のとおりです。
=ROUND(D2*(1+E2/30), 1)あくまで推定値ですが、同じ重量で回数が増えたときに数値が上がるため、停滞期の成長を捉えるのに向いています。I列あたりに追加しておくとよいでしょう。
| 見る指標 | 成長のサイン(例) |
|---|---|
| 最大重量 | 60kg → 62.5kg に伸びた |
| 回数 | 60kg×8回 → 60kg×10回 に増えた |
| 週間ボリューム | 先週 5,400kg → 今週 6,000kg に増えた |
| 推定1RM | 重量が同じでも回数が増えて推定値が上昇 |
重量が止まった日でも、この表のどこかは動いていることがほとんどです。「今日は回数の自己ベストだ」と思えれば、記録を続ける手は止まりません。
グラフで推移を見る
数字が並んだら、グラフにすると変化がひと目で分かります。おすすめは次の2つです。
- 1
種目別の最大重量を折れ線グラフに
別シートに「日付 × その日の最大重量」を作り(MAXIFSで日付と種目を指定)、折れ線グラフにします。右肩上がりの線は、そのまま続ける動機になります。
- 2
週間ボリュームを棒グラフに
週の開始日を縦に並べ、SUMIFSで合計した値を横に。棒の高さでトレーニング量の増減が分かります。部位別に色を分けると偏りも見えます。
ただし、この2つのグラフを作って毎週更新するには、それなりの手間がかかります。作るのが目的にならないよう、まずは1つだけ用意して回してみてください。

エクセル管理を続けるコツ
1. ジムではメモ、帰ってから転記しない
「ジムでスマホにメモして、帰宅後にエクセルへ転記する」——この二段構えは、ほぼ確実に転記のほうが溜まります。入力は1回で終えるのが鉄則です。スマホのスプレッドシートアプリで直接入力するか、いっそ入力だけ別の手段にするかを決めましょう。
2. 列を増やしすぎない
休憩時間、RPE、使用マシンの番号……足せば足すほど記録は詳しくなりますが、埋めるのが億劫になります。8列で回してみて、本当に必要になったものだけ足す順番で。
3. 見返す日を決めておく
集計表を作っても、開かなければ意味がありません。「日曜の夜に週間ボリュームを見る」など、見返すタイミングを先に決めておくと続きます。記録づけは筋トレを習慣化するコツとも相性が良いので、あわせて取り入れると効果的です。
スマホで完結させたい人はアプリへ
エクセル管理でつまずくポイントは、ほぼ一点に集約されます。トレーニング中の入力です。息が上がった状態でセルを選び、数字を打ち、行を足す——これを毎セット続けるのは、正直きつい作業です。
「表づくりは楽しいけれど入力が続かない」と感じたら、記録そのものはアプリに任せる選択もあります。アプリなら関数を書かなくても、ボリュームも推定1RMも自動で集計されます。手書きノートと比べたい人は筋トレノートの書き方、ノートとアプリの比較は筋トレ記録はノートとアプリどっち?、アプリの選び方は筋トレ記録アプリの選び方をご覧ください。
かんたん記録で続く「FiTin」
「エクセルの入力が面倒で挫折した」「関数を組む時間がない」——そんな人におすすめなのが、筋トレ記録アプリ FiTin(ファイティン) です。FiTinは、かんたん記録&仲間と高めあえる無料の筋トレ記録アプリ。表計算でやろうとしていた集計を、そのまま肩代わりしてくれます。
- 種目・重量・回数・セットをタップ中心でかんたん記録。前回の記録もすぐ参照できるので、行をさかのぼって前回の重量を探す必要がありません
- 記録した瞬間に、最重量・推定1RM・セットボリュームなど5種類の自己ベスト(PR)を自動で判定。関数を書かなくても、エクセルでやりたかった「複数の指標で成長を見る」が自動で手に入ります
- ダンベル種目は「片側入力(×2)」に対応。手に取った20kgをそのまま入力すれば、トレーニング量の集計だけ自動で正しく2倍計算されるので、部位ごとのボリューム比較が狂いません
- 積み上げた記録は推移をグラフで自動振り返り。推定1RM・ボリューム・最大重量・セット数を切り替えて、グラフを作り直す手間なく成長を確認できます
- 友達・家族・職場の同僚など、すでに身近な人を招待してつながるクローズドな設計。記録を見せ合い「エール(応援)」を送り合えるから、ひとりより続けやすい

エクセルで挫折した人も、タップで記録できて自動でグラフ化されるFiTinなら、無理なく続けられます。アプリは筋トレ記録アプリFiTinのダウンロードページから無料で使えます。もちろん、表計算での作り込みが楽しい人はエクセルのまま続けて構いません。続く方法がいちばん良い方法です。
よくある質問
エクセルとGoogleスプレッドシート、どちらがいいですか?
スマホからも同じファイルを開きたいなら、無料で自動保存されるGoogleスプレッドシートが手軽です。パソコン中心で使う、あるいは既にエクセルを持っているならエクセルで構いません。この記事の数式はどちらでも同じように動きます。
筋トレ記録の表には何列必要ですか?
「日付・種目・部位・重量・回数・セット・ボリューム・メモ」の8列から始めるのがおすすめです。休憩時間やRPEなどは、8列で回してみて必要だと感じてから足しましょう。
1行に3セット分をまとめて書いてもいいですか?
見た目はすっきりしますが、関数での集計ができなくなるため避けたほうが無難です。1行=1セットにしておくと、週間ボリュームや自己ベストをSUMIFS・MAXIFSで一発で出せます。
スマホでの入力が面倒です。どうすればいいですか?
ジムでメモして後で転記する方法は、転記が溜まって続かなくなりがちです。入力を1回で終える形にするのが基本で、それでも負担が大きい場合は記録アプリに切り替えるほうが現実的です。
まとめ
筋トレ記録をエクセル・Googleスプレッドシートで管理するときは、1行=1セットで「日付・種目・部位・重量・回数・セット・ボリューム・メモ」の8列から始めましょう。ボリュームは掛け算、週間の合計はSUMIFS、自己ベストはMAXIFS、推定1RMはEpleyの式——これだけで、重量が止まった時期でも成長のサインを見つけられます。弱点はトレーニング中の入力の手間なので、そこが続かないと感じたらアプリへの切り替えも検討してみてください。まずは今日のトレーニングから、1種目だけでも表に残してみましょう。
